So-net無料ブログ作成
検索選択

1月31日の世界の昔話 赤ずきんちゃん


福娘童話集 > きょうの世界昔話 > 1月の世界昔話


1月31日の世界の昔話


赤ずきんちゃん



赤ずきんちゃん

ペローの童話 → ペロー童話の詳細


♪音声配信


 むかしむかし、あるところに、とても可愛らしい女の子がいました。
 ある時、その女の子のおばあさんが赤いビロードの布で、女の子のかぶるずきんを作ってくれました。
 そのずきんが女の子にとても似合っていたので、みんなは女の子の事を、『赤ずきん』と呼ぶ様になりました。

 ある日の事、お母さんは赤ずきんを呼んで言いました。
「赤ずきんや、おばあさんがご病気になってしまったのよ。おばあさんはお前をとっても可愛がってくださったのだから、お見舞いに行ってあげなさい。きっと、喜んでくださるから」
「はい、お母さん」
「それじゃあ、このケーキと、上等なブドウ酒を一本持ってお行き」
 赤ずきんがおばあさんの所へ一人で行くのは始めての事だったので、お母さんは心配でたまりません。
 でもお母さんには用事があって、一緒に行けないのです。
「いいですか、途中で道草をしてはいけませんよ。それから、オオカミに用心するのですよ。オオカミはどんな悪い事をするかわからないから、話しかけられても知らん顔しているのですよ」
「はい、お母さん。大丈夫よ」
 赤ずきんは、お母さんを安心させるように元気良く、
「いってきまーす!」
と、言って、出かけて行きました。

  おばあさんの家は、ここから歩いて三十分ぐらいかかる森の中にありました。
 その日はとても天気のよい日で、赤ずきんがスキップしながら歩いていると、そこへオオカミが現れたのです。
「こんにちは。赤いずきんが可愛い、赤ずきんちゃん」
 オオカミはニコニコしながら、赤ずきんに話しかけました。
 赤ずきんはお母さんに言われた事を思い出しましたが、動物好きの赤ずきんには、ニコニコしているオオカミが悪い動物には見えません。
「こんにちは、オオカミさん」
 赤ずきんが返事をしてくれたので、オオカミはニヤリと笑うと尋ねました。
「赤ずきんちゃん、今からどこへ行くの? たった一人で」
「あのね。おばあさんのお家よ。おばあさんがご病気だから、お見舞いに行くの」
「そうかい。それは偉いねえ。・・・おや? そのバスケットの中には、何が入っているのかな?」
「ケーキとブドウ酒よ。おばあさんのご病気が早く良くなる様に、持って来たの」
「なるほど、それでどこだい? おばあさんのお家は」
「森のずっと奥の方よ。ここからなら、歩いて十五分くらいかかるわ」
「十五分か・・・」
 オオカミは、ちょっと考えました。
(ばあさんの家を探して、ばあさんを食べてしまうには、もう少し時間がいるな。よし・・・)
「赤ずきんちゃん。おばあさんの家に行く前に、周りを見てごらんよ。こんなにきれいに花が咲いているし、小鳥は歌っているよ。せっかくだから、楽しく遊びながら行ったらどうかな。たとえば、花をつむとか」
 赤ずきんは、オオカミの言う通りだと思いました。
 花をつんで持って行けば、おばあさんはきっと喜んでくれるに違いありません。
「そうね、オオカミさん、あなたの言う通りだわ。あたし、お花をつみながら行くわ」
 赤ずきんはさっそく、色々な花を探し始めました。

 さて、赤ずきんと別れたオオカミは、そのまま真っ直ぐ、おばあさんの家へ行きました。
 トントンと、戸を叩くと、
「はいはい。どなたかの?」
と、言う、おばあさんの声がしました。
 オオカミは、女の子の様な声を出しました。
「赤ずきんよ。ケーキとブドウ酒を持って来たの。開けてちょうだいな」
 それを聞いたおばあさんは、うれしそうな声で、
「おや、赤ずきんかい。さあさあ、カギはかかってないから、戸を押して入っておくれ。おばあさんは体が弱っていて、ベットから起きられないからね」
「そうかい。それじゃあ、遠慮なしに」
 オオカミは戸を押し開けると、ベッドに寝ているおばあさんに飛びかかりました。
 オオカミは、怖さのあまり気を失ってしまったおばあさんの着物とずきんを取ると、あとはパクリと、おばあさんを丸飲みにしてしまいました。
 それからオオカミは、おばあさんの着物を着て、おばあさんのずきんをかぶり、ベッドの中へ潜り込みました。

 その頃、赤ずきんはまだ花を取っていましたが、やがて手に持ちきれないほどたくさん取ってしまうと、やっとおばあさんの家へ行く事を思い出しました。
「そうだわ、急いで行きましょう」
 おばあさんの家に行ってみると入り口の戸が開いていたので、赤ずきんは不思議に思いました。
「どうしたんだろう? おばあさんは、いつも戸を閉めておくのに」
 赤ずきんが家の中へ入ると、いつもと違った、変な匂いがする様な気がしました。
 でもそれが、オオカミの匂いだとは気がつきません。
 部屋の奥のベッドには、おばあさんが寝ています。
「こんにちは、おばあさん」
 赤ずきんが大きな声で挨拶しましたが、何の返事もありません。
 赤ずきんは、ベッドに近づきました。
(あら、おばあさんの様子が変。病気でこんなになってしまったのかしら?)
 赤ずきんは思い切って、おばあさんに尋ねてみました。
「おばあさん、おばあさんの耳は、ずいぶんと大きいのね」
 すると、おばあさんに化けたオオカミが言いました。
「そうとも、お前の言う事が、よく聞こえる様にね」
「それに目が大きくて、光っている。何だか怖いわ」
「怖がる事はないよ。可愛いお前を、よく見る為だから」
「それに、おばあさんの手の大きいこと。おばあさんの手は、こんなに大きかったかしら?」
「そうだよ。大きくなくては、お前を抱いてあげる事が出来ないもの」
「それから何と言っても、その大きなお口。おばあさんのお口があんまり大きいので、びっくりしちゃったわ」
「そうとも。大きくなくては、お前を・・・」
「・・・お前を?」
「食べられないからさ!」
 オオカミはそう言うと、赤ずきんをパクリと飲み込んでしまいました。
「ああ、食った食った。ばあさんに女の子。二人も食って満腹だ」
 オオカミは、すっかりお腹が大きくなったので、そのままいびきをかいて寝てしまいました。

 そこへ、いつもこの森で狩りをしている猟師(りょうし)が通りかかりました。
「おや? ばあさまが、でっかいいびきをかいて寝ているぞ。いつもと、様子が違う様だが。・・・見てこよう」
 猟師が家の中へ入って、ベッドに近よると、
「ややっ! これはオオカミではないか!」
 猟師は眠っているオオカミを鉄砲で殺してしまおうと思いましたが、もしかすると食べられたおばあさんが、お腹の中で生きているかもしれないと思って、大きなはさみでオオカミのお腹をジョキジョキと切り始めました。
 するとまず、赤いずきんが見えました。
 そして、女の子が飛び出しました。
「ああ、ビックリしたわ! オオカミのお腹の中って、真っ暗なんですもの」
 その次に、おばあさんがオオカミのお腹から、
「よっこらしょ。やれやれ、ひどい目に会ったよ」
と、出て来ました。
 おばあさんは寝たきりで動けなかったはずですが、オオカミに食べられたショックで、病気がどこかへ吹き飛んでしまったのです。
 元気になったおばあさんは、赤ずきんに言いました。
「赤ずきんや、庭にある石をたくさん持って来ておくれ。この悪いオオカミを、こらしめてやらないとね」
 そして赤ずきんがたくさんの石を持ってくると、おばあさんは石をオオカミのお腹に詰め込んで、お腹を針と糸で縫い合わせました。

 さて、しばらくした後、やっと目を覚ましたオオカミは喉が渇いて近くの川に行きました。
「ああ、お腹が重い。少し食べ過ぎたかな?」
 オオカミが川の水を飲もうとしたとたん、お腹の石の重さにバランスを崩して、オオカミはそのまま川にドボンと落ちてしまいました。
 悪いオオカミがいなくなって、みんなはひと安心です。
(ああ、怖かったわ。これからは二度と道草をしないわ)
 赤ずきんは、自分に言い聞かせたのでした。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日シューベルト誕生日
きょうの誕生花 → しろたえぎ
きょうの誕生日1977年 香取慎吾(歌手)




きょうの日本昔話 → テングの腕比べ
きょうの世界昔話 → 赤ずきんちゃん
きょうの日本民話 → 青の洞門(どうもん)
きょうのイソップ童話 → キツネとツル
きょうの江戸小話 → あんどん


hukumusume.com サイト一覧



1月30日の世界の昔話 ワニの贈り物


福娘童話集 > きょうの世界昔話 > 1月の世界昔話


1月30日の世界の昔話



ワニの贈り物



ワニの贈り物
フィリピンの昔話 → フィリピンの国情報


♪音声配信


 むかしむかし、ある村に、とても優しくて子守り歌の上手なおばあさんが住んでいました。
 ある日、おばあさんが川へ行くと、ワニが声をかけてきました。
「おばあさん、頼みがあるんだよ。泣いてばかりいるうちの子を、うまく寝かしつけてもらえないかね?」
「それなら、まかしといて!」
 おばあさんはワニの背中に乗って、向こう岸ヘ渡りました。
 なるほど、茂みの中では子ワニが、わんわんと泣いています。
 おばあさんは、草をかき分けてかけ寄りました。
「よしよし、可愛い坊やね。安心おし。わたしが来たからもう大丈夫」
 おばあさんは子ワニの頭をなでて、さっそく子守り歌を歌い始めました。
♪バユーバイ バユバイ。
♪子ワニちゃん。
♪お眠りなさい。
♪可愛い 子ワニちゃん。
 おばあさんの歌を聞くと、子ワニはピタリと泣き止みました。
 それから、
「フワーーッ。ムニャムニャ・・・」
と、大きなあくびをして、可愛い寝息(ねいき)をたて始めました。
 でもおばあさんは、まだしばらく歌い続けました。
 やがて子ワニが、本当にグッスリと眠ったのを確かめて立ち上がりました。
「さて、そろそろ帰るとしましょうか」
 すると親ワニが、魚のいっぱい入ったカゴを持って来てくれました。
「ありがとう、おばあさん。お礼に、これを持って帰って」
「これは、ありがたいわ。わたしは魚が大好きなのよ」
 おばあさんは大喜びで、またワニの背中に乗り、川を渡って帰りました。
 おばあさんが家へ着くと、隣のおばあさんがやって来ました。
「おや、おいしそうな魚だねえ。いったいどこで手に入れたの?」
「川で、ワニにもらったのよ」
 おばあさんは、これまでの事を全部話しました。
「へえー、それじゃあ、わたしも行ってみよう」
 隣のおばあさんは川ヘ行くと、ワニに向かって言いました。
「さあ、お前の子を寝かせに来てやったよ」
「いえ、子どもはよく眠っているから、けっこうですよ」
「ふん! 子どもなんて、じきに目を覚ますに決まってるよ。さあ、わたしを背中に乗せて連れてお行き!」
 無理矢理向こう岸へ渡ったおばあさんは、子ワニを見て顔をしかめました。
「うへー! 何てまあ、汚くて、臭いんだ!」
 そして、寝ていた子ワニを足で蹴飛ばしました。
 子ワニはビックリして、目を覚ますと泣き出しました。
「ほら、やっぱり泣いただろう」
 隣のおばあさんは、横でハラハラしながら見ている親ワニに言いました。
「何をグズグズしているんだい! 早く魚を捕っておいでよ。その間に、子どもを寝かしつけておくからさ」
 そして、隣のおばあさんは歌い始めました。
♪バユーバイ バユバイ。
♪さっさとお眠り 汚い子。
♪早くお眠り 臭い子よ。
 子ワニは眠るどころか、ビービーと大泣きです。
 親ワニは怒って、カゴを差し出しながら言いました。
「これをやるから、もう帰っておくれ!」
 隣のおばあさんは、カゴを受け取るとニヤニヤ笑いながら、
「そうかい。それなら、また川を渡しておくれ」
と、言って、またワニの背中にまたがって帰って行きました。
 家へ着くと、窓や戸を全部閉めました。
 大事な土産物を、誰にも見られたくなかったからです。
 そして、いよいよカゴを開いた途端、
「ギャーッ!」
 おばあさんは、悲鳴を上げて気絶しました。
 カゴの中に大きなヘビが入っていて、シュルシュルと、おばあさんの体に巻き付いたからです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日3分間電話の日
きょうの誕生花 → ペペロミア
きょうの誕生日1958年 石川さゆり(歌手)




きょうの日本昔話 → 大いびき善六
きょうの世界昔話 → ワニの贈り物
きょうの日本民話 → 山下淵(やましたぶち)の大なまず
きょうのイソップ童話どちらが子どもをよけいうむかで、ケンカするブタとイヌ
きょうの江戸小話 → 金箱のかぎ


hukumusume.com サイト一覧



1月29日の世界の昔話 ネコの名前


福娘童話集 > きょうの世界昔話 > 1月の世界昔話


1月29日の世界の昔話



ネコの名前



ネコの名前

ベトナムの昔話ベトナムの情報


 むかしむかし、ある人がネコを飼う事にしました。
 そのネコは、とても美しくて賢いネコだったので、その人は『天(てん)』という名前をつけました。
 けれども、ネコに『天』という名前は何だか変なので、その人の息子が、
「ネコに『天』という名前は、立派すぎて変ですよ。違う名前にしたらどうですか?」
と、言いました。
 でも父親は、
「いやいや、このネコは素晴らしいネコなんだ。だから素晴らしい名前でいいんだよ」
と、言って、息子の話しを聞き入れようとしません。
 そこで息子は、隣の家のおじいさんに相談しました。
お父さんがネコに『天』という名前をつけたのですが、おかしいと思いませんか?」
 おじいさんもネコの名前に『天』はおかしいと思い、ネコ好きの人の家へやってきて言いました。
「なぜ、ネコに『天』という名前をつけたのですか? もっとネコらしい名前にした方が、良いのではありませんか?」
 するとネコ好きの人は、
「いやいや、うちのネコには『天』という名前がピッタリです。なぜなら天は、この世の中で一番高い所にありますからね」
と、答えます。
 そこでおじいさんは、負けずに言いました。
「だけど、雲はその天を見えないように隠す事が出来ますよ」
「・・・そうか、なるほど! では、ネコの名前は『雲』にかえましょう」
 ネコ好きの人がそう言うと、おじいさんは言葉を続けました。
「でも、雲は風に吹き飛ばされてしまいますよ」
「それもそうだな。では、『風』という名前にかえましょう」
「いや、風はいくら吹いても、壁に止められてしまいますよ」
「よし、それじゃ、『壁』という名前にかえましょう」
「でも、壁はネズミに穴を開けられてしまいますよ」
「じゃあ、『ネズミ』という名前にかえましょう」
「しかし、ネコに『ネズミ』という名前はおかしいでしょう。それに、ネズミよりも強いのはネコですよ」
「ああ、なるほど。ネコが一番強いというわけだ。よし、うちのネコの名前は『ネコ』に決めよう」
「それがいい。やっぱりネコには、『ネコ』という名前がピッタリですよ」
 こうして、ネコの名前は『ネコ』に決まりました。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日南極「昭和基地」設営記念日
きょうの誕生花 → きんかん
きょうの誕生日1977年 宝生舞(俳優)


きょうの新作昔話 → 鬼が残していった金棒
きょうの日本昔話 → 聴き耳ずきん
きょうの世界昔話 → ネコの名前
きょうの日本民話 → キツネの倉
きょうのイソップ童話オオカミと馬
きょうの江戸小話 → けち自慢


hukumusume.com サイト一覧



1月28日の世界の昔話 ライオンのメガネ


福娘童話集 > きょうの世界昔話 > 1月の世界昔話


1月28日の世界の昔話



ライオンのメガネ



ライオンのメガネ
ヴィルドラックの童話


 動物の国の王さまは、ライオンでした。
 そのライオンは年取ったおじいさんですが、まだまだ立派に動物の国を治めていました。
 王さまのライオンは、いつも言います。
「みなの者、弱い者いじめをしてはならないぞ。自分より弱い者、小さい者をいじめた者は死刑(しけい)にする」
 王さまのライオンは、そうやって動物の国の小さくて弱い者を守ってやりました。
 立派でやさしい王さまを、動物たちはみんな大好きでした。
 ところが近頃、王さまのライオンは目が見えなくなってきたのです。
 誰でも年を取ると、目がかすんできます。
 それはライオンでも同じで、もううまく走る事が出来なくなってしまいました。

 さて、それを見て大喜びしたのは、大臣(だいじん)のトラです。
 ライオンが王さまの務めを果たせなくなった時には、トラが王さまになれるのです。
「よしよし、もうすぐライオンは目が見えなくなって、何も出来なくなるぞ。そうしたら、わしが動物の国の王さまだ。王さまになったら、弱虫やチビの動物を片っぱしから食ベてやる」
 大臣のトラは、そう思っていました。
 そして動物たちはみんな、大臣のトラが考えている事を知っていました。
「どうか王さまの目が、もう一度良く見える様になります様に。大臣のトラが王さまになりません様に」
 ライオンが大好きな動物たちは、みんな一生懸命に祈りました。
 けれど王さまのライオンの目は、だんだん悪くなるばかりです。
「ああ、わしはもう、王さまとして動物の国を治める事が出来ないのかな」
 ある日の事、王さまのライオンはため息をつきながら、トボトボと歩いていました。
 すると洞穴の奥の方から、人間の匂いがしてきます。
 目は見えなくても鼻はまだ効くライオンは、そっと洞穴に入って行きました。
 洞穴の奥では、人間のおじいさんが一人で本を読んでいました。
 おじいさんは大きなライオンが近づいて来たのを見ると、ビックリして叫びました。
「た、助けてください!」
 するとライオンは、優しく言いました。
「人間のおじいさん、どうかビックリしないでください。
 わたしはあなたを食べようなんて、少しも思っていません。
 ただ、あなたがとても年を取っているのに、こんな小さい字の書いてある本が読めるのを不思議に思ったのです。
 年を取っても目がかすまない薬でも持っているのかと、聞きたいのです」
 ライオンは、この頃、目が見えなくて困っている事をおじいさんに話しました。
 そして王さまの位を狙っている、意地悪なトラの事も話しました。
 ライオンの話を聞いたおじいさんはニッコリして、おでこに乗せていた物をライオンに渡しました。
「わたしが年を取っても目が見えるのは、これのおかげじゃよ」
 それは、メガネでした。
「あんたは、やさしいライオンじゃ。王さまらしい立派なライオンじゃ。あんたがいつまでも王さまでいられる様に、このメガネをあげよう」
 おじいさんは、ライオンにメガネをかけさせてくれたのです。
 するとたちまち、あたりの物がハッキリと見えてきました。
 草の葉っぱに止まっている、小さなテントウムシまでちゃんと見えました。
 ライオンは大喜びでメガネをもらうと、ウォー、ウォーと喜びながら、岩を飛び越えて走って帰りました。
「ばんざーい、ばんざーい。王さまの目が見えるようになったぞ!」
 動物たちは大喜びで、ライオンを迎えました。
 たった一人、トラだけはガッカリして、病気になってしまいましたけれど。
 それからずっとライオンは元気で、今もメガネをかけて動物の国を立派に治めているのです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日ダンスパーティーの日
きょうの誕生花 → レプトスペルマム
きょうの誕生日1981年 乙葉(タレント)




きょうの日本昔話 → 若返りの水
きょうの世界昔話 → ライオンのメガネ
きょうの日本民話 → 白竜湖の琴の音
きょうのイソップ童話 → ライオンとキツネとシカ
きょうの江戸小話 → 泳ぎの名人


hukumusume.com サイト一覧



1月27日の世界の昔話 お母さんが編んで下さったボウシ


福娘童話集 > きょうの世界昔話 > 1月の世界昔話


1月27日の世界の昔話



お母さんがあんでくださったボウシ



お母さんが編んで下さったボウシ
スウェーデンの昔話 → スウェーデンの国情報


「ボウシを編んであげましょうね」
 お母さんは息子のアンデルスに、赤い糸でボウシを編んであげました。
「少し糸が足りないから、緑の糸を足しましょう」
 お母さんは赤い糸が足りなくなったので、ボウシのてっペんには緑の糸で、フサフサとした長いふさをつけました。
 これで、とても可愛いボウシの出来上がりです。
 アンデルスが、かぶると、
「とても可愛いよ、アンデルス」
「うん。とても良く似合うわ、アンデルス」
と、お兄さんとお姉さんも褒めてくれました。
「みんなに見せてくる!」
 アンデルスは、外へ飛び出しました。
 すると、友だちのラルスがそばへ来て、
「いいボウシだね。どうだい、ぼくのジャックナイフと取りかえないか?」
と、言いました。
「うんん」
 アンデルスは首を横に振ると、駆け出しました。
 今度はきれいな服を着た女の人が、アンデルスを見るとスカートをつまんでおじぎをして、
「まあ、素敵なボウシね! あなたも、ご殿のパーティーに行くのでしょう?」
と、聞きました。
 そこでアンデルスは、ご殿へ駆けて行きました。
 ご殿へ入ろうとすると、番人が、
「こら、子どもは入ってはならん!」
と、アンデルスを追い返そうとしました。
 そこへ、王女さまが通りかかって、
「あら、可愛いボウシをかぶった坊やね。いいわ、一緒にいらっしゃい」
と、アンデルスをご殿の大広間に連れて行きました。
 大広間にいたお客たちは、
「ほほう! いいボウシだ」
と、褒めてくれました。
 王女さまはアンデルスを、ごちそうのいっぱい並んだテ一ブルの前のイスに腰かけさせました。
「さあ、ボウシを脱いで」
 王女さまは、ボウシを取ろうとしました。
 するとアンデルスは、
「いや、いや!」
と、ボウシを取られるのかと思って、ボウシを両手で押さえました。
「じゃあ、抱っこしてあげるから」
 王女さまはアンデルスをひざの上に抱き上げて、ボウシを脱がせようとしました。
 けれどもアンデルスは、ボウシを押さえたままです。
「じゃあ、この首飾りをあげるから」
 王女さまはアンデルスの首に自分の金の首飾りをかけてから、ボウシを取ろうとしましたが、アンデルスはボウシを脱ごうとはしません。
 そこへ、王さまがやって来て、
「坊や、わしの金の(かんむり)と、そのボウシを取り替えてはくれんかな?」
と、言って、自分の金の冠をアンデルスの頭にかぶせて、ボウシを取ろうとしました。
「いや、いや! いやです!」
 アンデルスは両手でボウシを押さえたまま、ご殿を逃げ出して急いで家へ帰りました。
 王女さまが首にかけてくれた首飾りは、どこかへ落としてしまいました。

 その夜、アンデルスはご殿での出来事をみんなに話しました。
 すると、お兄さんが言いました。
「おしかったなあ。金の首飾りや金の冠があれば、それを売ってボウシなんかいくらでも買えるんだぞ!」
 それを聞いたアンデルスは、頬をまっ赤にして、
「違うよ。このボウシがいいんだ! だって、お母さんが編んで下さったボウシだもの! 世界でただ一つのボウシだもの!」
と、言いました。
「まあ、この子ったら」
 お母さんは思わず、アンデルスをしっかりと抱きしめました。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日求婚の日
きょうの誕生花 → ヘリオトロープ
きょうの誕生日1756年 モーツァルト (作曲家)


きょうの新作昔話 → おりゅう柳
きょうの日本昔話 → カニの甲羅の毛
きょうの世界昔話 → お母さんがあんでくださったボウシ
きょうの日本民話 → カッパと殿さま
きょうのイソップ童話 → 矢にあたったワシ
きょうの江戸小話 → 千手観音


hukumusume.com サイト一覧



1月26日の世界の昔話 花とお日さま


福娘童話集 > きょうの世界昔話 > 1月の世界昔話


1月26日の世界の昔話



花とお日さま



花とお日さま
アンデルセン童話 → アンデルセン童話の詳細


 それは、寒い寒い冬の事です。
 雪の混じった冷たい風が吹いていましたが、部屋の中は気持ち良く温まっていました。
 ここは、地面の中の部屋です。
 そこには、花が眠っていました。
 ある日、雨が降りました。
 雨のしずくは土の中まで染み込んで行き、花の根っこをゆすぶりました。
「起きなさい、起きなさいな」
「う、うーん・・・」
 花の根っこは、なかなか目を覚まそうとしません。
 そのうちに春が来て、温かいお日さまの光がさす様になりました。
 お日さまの光は土の間をくぐって、花の根っこの所まで入っていきました。
 そして花の根っこを、少しずつ、少しずつ、温めてやりました。
「ああ、体の中がムズムズする。手足をウーンと、思いっ切り伸ばしたいなあ」
 花の根っこは目を覚まして、そんな事を言いました。
 また、雨が降りました。
 雨は土の中に染み込むと、花の根っこをくるんでいる、薄い皮を濡らして柔らかくして言いました。
「出て来なさい。早く、出て来なさい」
 そこへまた、温かいお日さまの光が入って来て、ポカポカと温めました。
「ああ、もう、ジッとしてはいられないよう」
と、花の根っこは言いました。
 間もなく根っこは、白いひげの様な根を出して来ました。
 それから、薄緑の芽を伸ばして来ました。
 芽はお日さま光をいっぱい浴びようと、お日さまの光が来る方へと伸びて行きました。
 そしてとうとう、土の上に出て来ました。
「ああ、なんて明るいんだろう」
 芽は、眩しくて困りました。
 すると、お日さまは、
「やあ、やっと顔を見せてくれたね」
と、やさしく気持ちの良い光で、小さな芽を包みました。
 今度は、そよそよと風が吹いて来て言いました。
「はじめまして、やっと、出て来たんだね」
 そして今度は小鳥がやって来て、楽しそうに歌いました。
「♪ 芽が出たよ。 芽が出たよ。可愛い芽が出たよ」
 芽は、うれしくなりました。
「よーし、もっと大きくなって、みんなに喜んでもらおう」
 芽は頑張って、毎日毎日大きくなりました。
 もう、お日さまも眩しくはありません。
 グングン、グングン伸びていきました。
「しっかり、しっかり」
「がんばれ、がんばれ」
「その調子だよ」
「♪ もうすぐ、もうすぐ、もうすぐだー」
 お日さまも、雨も、風も、小鳥も、みんな励ましてくれました。
 そしてついに、芽は可愛いつぼみをつけて、きれいな花を咲かせたのです。
「やったー」
「おめでとう」
「すごく、きれいだよ」
「♪ 花が出たよ。花が出たよ。可愛い花が出たよ」
 みんなに褒めてもらって、花はとても幸せでした。

 ほら、あなたのお庭に咲いている花が、その花ですよ。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日文化財防火デー
きょうの誕生花 → カロライナジャスミン
きょうの誕生日1955年 所ジョージ(タレント)




きょうの日本昔話 → 牡丹(ぼたん)の花と若者
きょうの世界昔話 → 花とお日さま
きょうの日本民話 → 送りオオカミ
きょうのイソップ童話 → デマデスの演説
きょうの江戸小話 → どろぼうのおあいそ


hukumusume.com サイト一覧



1月25日の世界の昔話 死んだ人たちの集会


福娘童話集 > きょうの世界昔話 > 1月の世界昔話


1月25日の世界の昔話



死んだ人たちの集会



死んだ人たちの集会

ノルウェーの昔話ノルウェーの情報


 むかし、あるところに、とても信心深い(→神さまを思う気持ちが強い事)奥さんがいました。
 毎日教会へ行っては、
「どうか、幸せに暮らせます様に」
と、お祈りをしていました。


 ある日の事、明日は朝早くから教会でお祈りの会があるというので、奥さんは夕ご飯が終わるとすぐにベッドに入りました。
 夜中にふと目を覚ますと、窓から月の光が差し込んでいました。
 時計を見ると、十二時半のところでハリが止まっています。
(本当の時間は、何時頃かしら?)
 奥さんは心配になって窓を開けて、教会の方を見てみました。
 すると教会の窓には、明々と明かりがついています。
「いけない! もう朝のお祈りが始まっているんだわ」
 奥さんは急いで服を着替えると、マントをはおり、お祈りの本を持って教会へ急ぎました。
 でも不思議な事に町はひっそりとしたままで、誰一人、教会へ行く人がいません。
「変ね。何だかおかしいわね」
 それでも教会へ行ってみると、お堂の中には大勢の人が集まっていました。
 奥さんは慌てて、自分の席へ腰をおろしました。
 ところがどうも、様子がおかしいのです。
 まだお祈りが始まっていないのに、誰一人、口をききません。
 それに、周りにいる人たちはみんなまっ青な顔色で、まるで死んだ人の様です。
 しかも知らない人たちばかりで、たまに見覚えのある顔があっても、どこで会ったか思い出せません。
 やがて牧師(ぼくし)さんがやって来ましたが、牧師さんも見た事のない人で、気味が悪くなるほど青白い顔をしていました。
 牧師さんが、お説教を始めました。
 お堂の中は相変わらず静まりかえり、咳払いをする人もいません。
(いつもなら、もっと騒がしいのに)
 奥さんは、だんだん不安になってきました。
 やがてお祈りの歌が始まって、式が終わりに近づいてきた頃、奥さんの近くにいた女の人が、耳元でささやく様に言いました。
「式の終わらないうちに、早くここを出なさい。グズグズしていたら殺されてしまいます。これは、死んだ人たちの集まりよ」
「えっ?」
 奥さんがびっくりして女の人の顔を見ると、それはずっと前に亡くなった、近所の仲の良かった人だと気がつきました。
(そういえば見た事がある人は、みんなずいぶん前に死んだ人たちだわ)
 奥さんは、急に体が震えてきました。
「さあ早く。マントを着て行くのを忘れないで」
 女の人に言われて奥さんはマントをはおると、お堂の中からこっそり抜け出そうとしました。
 その事に気がついているのか、みんなは歌を歌いながら怖い顔で奥さんをにらみつけます。
 今は大人しいけれど、歌が終わればすぐに襲いかかって来るに違いありません。
 ようやく出口までたどり着いた時、歌が終わりました。
  すると死んだ人たちがいっせいに立ち上がり、奥さんを取り囲んでマントをつかみました。
(もう駄目!)
 それでも夢中でマントを脱ぎ捨てると、外へ飛び出しました。
 そして、あとも見ないで必死に駆けました。
 やっと家にたどり着き、教会の方を振り返ってみたら、教会の明かりはすでに消えていました。
 奥さんはホッとして、時計を見ました。
 すると止まっていたはずの時計の針が動いていて、ちょうど一時を指していました。
 奥さんはもう恐ろしくて、朝になっても教会へは行きませんでした。
 町の人たちが教会へ来てみると不思議な事に、ズタズタに引き裂かれた奥さんのマントが落ちていたという事です。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日中華まんの日
きょうの誕生花 → プリムラ
きょうの誕生日1938年 松本零士(漫画家)


きょうの新作昔話 → 大飯食らいは損をする
きょうの日本昔話 → 乙姫様のくれたネコ
きょうの世界昔話 → 死んだ人たちの集会
きょうの日本民話 → もちのなる木
きょうのイソップ童話アシとオリーブの木
きょうの江戸小話 → たたかれても安心


hukumusume.com サイト一覧



1月24日の世界の昔話 人間に飼われる様になったけもの


福娘童話集 > きょうの世界昔話 > 1月の世界昔話


1月24日の世界の昔話



人間に飼われるようになったけもの



人間に飼われる様になったけもの
フィンランドの昔話 → フィンランドの国情報


 むかしむかし、ある牧師(ぼくし)さんが、お嫁さんをもらう事になりました。
 そこでその辺りに住む動物たちを、結婚式に招きました。
 招かれた動物は、クマと、オオカミと、ヒョウと、キツネと、シロギツネと、ウマと、ウシと、ヤギと、ヒツジと、トナカイです。
 一番始めにクマが出かけて行き、途中で男の子に出会いました。
「どこへ行くの?」
と、男の子が尋ねました。
「牧師さんの結婚式に」
と、クマが答えました。
 すると男の子は、心配そうに言いました。
「行かない方がいいよ。クマさんの毛皮は温かくて素晴らしいだろう。みんな毛皮が欲しくなって、クマさんを撃ち殺して皮をはいでしまうよ」
 クマは男の子の言う事を聞いて、森へ帰って行きました。

 今度は、オオカミがやって来ました。
「どこへ行くの?」
と、男の子が尋ねました。
「牧師さんの結婚式に」
と、オオカミが答えました。
「行かない方がいいよ。オオカミさんの毛皮はとても役に立ちそうだからね。もう二度と、森へ帰れなくなるかもしれないよ。それでもいいのかい?」
 オオカミはクマと同じ様に、結婚式に行くのを止めて帰りました。

 すると今度は、ヒョウが来ました。
「どこへ行くの?」
と、男の子が尋ねると、
「牧師さんの結婚式に」
と、ヒョウが答えました。
「行かない方がいいよ。ヒョウさんの毛皮は、人間たちがみんな欲しがっているからね。行くと捕まえられて、敷物にされてしまうよ」
 ヒョウは男の子の言う通りだと思って、森ヘ帰る事にしました。

 その次に、キツネが来ました。
「どこへ行くの?」
と、男の子が尋ねました。
「牧師さんの結婚式に」
と、キツネが答えました。
「行かない方がいいよ。キツネさんの毛皮はとても人気があるからね。行くと捕まえられて、えり巻きにされてしまうよ」
 キツネは男の子の言う通りだと思って、くるりと向きを変えると森の中へ逃げて行きました。

 すると今度は、シロギツネが来ました。
「どこへ行くの?」
と、男の子が尋ねました。
「牧師さんの結婚式に」
「行かない方がいいよ。狩りに失敗したイヌが、シロギツネさんが来るのを待っているからね。行った途端に食べられてしまうよ」
 シロギツネはビックリして、帰って行きました。

 すると今度は、ウマがやって来ました。
「どこへ行くの?」
と、男の子が尋ねました。
「牧師さんの結婚式に」
「行かない方がいいよ。ウマさんは力持ちだからね。捕まって働かされちゃうよ。もう遊べなくなっちゃうよ」
と、男の子は言いましたが、ウマは、
「大丈夫さ。もし捕まっても、自慢の足で逃げて来るから」
と、言って、牧師さんの結婚式の場所ヘ急ぎました。
 そしてそこへ着くとウマは人間たちに捕まり、逃げられない様にロープに付けられて働かされる事になりました。

 次に、メスウシがやって来ました。
「どこへ行くの?」
と、男の子が尋ねました。
「牧師さんの結婚式に」
「行かない方がいいよ。ウシさんはミルクをたくさん出してくれるし、ウシさんの皮は役に立つし、そのうえ肉はおいしいから、人間たちはほうってはおかないと思うよ」
「大丈夫よ。もし捕まっても、自慢の力でロープを付けられても引きちぎって来るから」
 そして男の子の言う事を聞かずにメスウシは旅を続けて、人間たちに捕まってしまいました。
 メスウシはロープを引きちぎる力を持っていましたが、人間はロープを鼻の鼻輪に付けたので、メスウシは鼻輪が痛くてロープを引きちぎる事は出来ませんでした。

 次に、ヤギがやって来ました。
「どこへ行くの?」
と、男の子が尋ねました。
「牧師さんの結婚式に」
「行かない方がいいよ。ヤギさんもミルクをたくさん出してくれるから、人間たちはほうってはおかないと思うよ」
「大丈夫よ。もし捕まっても、忍び足で逃げて来るから」
 ヤギも男の子の言う事を聞かずに、人間たちに捕まってしまいました。
 捕まったヤギは忍び足で逃げようとしましたが、首に付けられた鈴が『♪カランコローン』と音を出すので、逃げる事は出来ませんでした。

 次に、ヒツジがやって来ました。
「どこへ行くの?」
と、男の子が尋ねました。
「牧師さんの結婚式に」
「行かない方がいいよ。ヒツジさんは温かい服を作る毛をたくさん持っているし、そのうえ肉はおいしいから、人間たちはほうってはおかないと思うよ」
「大丈夫よ。もし捕まっても、モコモコの毛でどこにいるかわからなくなるから、隙を見て逃げて来るわ」
 ヒツジも、男の子の言う事を聞こうとはしませんでした。
 人間たちはヒツジを捕まえると鼻の良いイヌにヒツジの番をさせたので、ヒツジは逃げる事が出来なくなりました。

 さて最後に、トナカイがやって来ました。
「どこへ行くの?」
と、男の子が尋ねました。
「牧師さんの結婚式に」
「トナカイさんは、どの動物よりも早く走れるんだから、みんながきみを帰してはくれないよ」
「わたしなら心配いりません。わたしは力が強くて足が速いから、さっと逃げて来ますよ」
 トナカイはそう言って、結婚式の場所へ急ぎました。
 するとトナカイは男の子の言った通り捕まってしまいました。
 トナカイは強い力と速い足を持っていましたが、人間に重いソリにつながれたので、逃げ出す事が出来なくなりました。

 さて、男の子の注意を聞いた動物たち、
「クマと、オオカミと、ヒョウと、キツネと、シロギツネ」は、
 今でも自由に森の中をはねまわっています。

 ところが、
「ウマや、ウシや、ヤギや、ヒツジや、トナカイ」のように、
 男の子の言う事を聞かなかった動物たちは、それからというもの、ずっと人間に飼われる様になったのです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日ゴールドラッシュの日
きょうの誕生花 → おもと
きょうの誕生日1936年 市原悦子(俳優)




きょうの日本昔話 → 貧乏神と福の神
きょうの世界昔話 → 人間に飼われるようになったけもの
きょうの日本民話 → 源治のタヌキ石
きょうのイソップ童話ヘルメスと大地の神
きょうの江戸小話 → 縁起かつぎ


hukumusume.com サイト一覧



1月23日の世界の昔話 キツネとネコ


福娘童話集 > きょうの世界昔話 > 1月の世界昔話


1月23日の世界の昔話



キツネとネコ



キツネとネコ
グリム童話 →グリム童話の詳細


♪音声配信


 むかしむかし、ある森の中で、ネコはキツネとバッタリ出会いました。
 ネコはニコニコしながら、キツネに話しかけます。
「こんにちは、キツネさん。狩(か)りの方はうまくいっていますか?
 この頃獲物(えもの)が少なくなって、狩りがやりにくくなりましたね。
 でもキツネさんは頭が良いから、きっとどんな時でもうまくやっていらっしゃるんでしょうね」
 するとキツネはネコをジロジロとながめてから、めんどくさそうに返事をしました。
「ぼくがうまくやっているかだって? まあ、きみに比べたら少しはね。
 ・・・で、きみはどんなやり方を知っているの?」
「わたしは、イヌから逃げる方法をたった1つしか知らないんです」
「どんな?」
 ネコは、恥ずかしそうに答えました。
「もしイヌが追いかけて来たら、すぐ木に登る。それだけです」
「へー、それだけ」
 キツネは、大げさに驚きました。
「ぼくは逃げ方だけでも、百以上のやり方を知ってるぜ。
 それから、相手をワナに引っかける技もね。
 みんな、ぼくの知恵袋(ちえぶくろ)の中に入っているんだ。
 あわれなネコくん、1つ教えてあげようか?」
 キツネが得意(とくい)になって、夢中(むちゅう)でしゃべっている時です。
 いつの間にかイヌを4匹連れた狩人が、すぐそばまで来ていました。
 ネコは素早く、木に登りました。
 これで安心、木の枝や葉っぱがネコをスッポリと覆い隠してくれます。
「キツネさん、はやく知恵の袋を開けなきゃ!」
 ネコが言った時にはもう遅く、キツネはイヌに捕まってしまいました。
「キツネさん、どうして?
 百以上のやり方を、知っているのに。
 ・・・あっ、そうか。
 どのやり方にするのか迷っているうちに、捕まってしまったんだ。
 わたしはたった1つしか逃げ方を知らなくて、助かったよ」
 ネコはつぶやいて、「ホッ」とため息をつきました。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日電子メールの日
きょうの誕生花 → まんりょう
きょうの誕生日1939年 千葉真一(俳優)




きょうの日本昔話 → カニのすもう
きょうの世界昔話 → キツネとネコ
きょうの日本民話 → 酔っぱらいタヌキ
きょうのイソップ童話 → ハチとヘビ
きょうの江戸小話 → カッパをつろう


hukumusume.com サイト一覧



1月22日の世界の昔話 桃源郷


福娘童話集 > きょうの世界昔話 > 1月の世界昔話


1月22日の世界の昔話



桃源郷



桃源郷

中国の昔話中国の情報


 むかしむかし、大きな川のそばに、小さな村がありました。
 その村に、黄(おう)という漁師が住んでいました。
 ある日の事、黄は、ふと思いました。
「この川の水は、どんな所から流れて来るのだろう? ・・・よし、見に行こう」
 黄は仕事をやめて、川上の方へ舟をこいで行きました。
 どこまでもどこまでも、こいで行くと、 川幅はだんだん狭くなっていきます。
 川底もだんだん浅くなって、舟はとうとう進めなくなりました。
「仕方がない。ここから先は歩いていくか」
 黄は木に舟をつなぐと、そのままどんどん歩いて行きました。
 するとやがて、目の前に広い桃の木の林が広がりました。
 花は満開で、桃の良い香りが一面に流れています。
「ほう。こんなところがあったのか」
 黄がそのまま川縁を歩いて行くと、とうとう川の始まりのところに着きました。
 その先は高い岩山で、岩の間から水がちょろちょろ流れています。
「ここが始まりの様だが、どうせなら岩山の向う側も見て見たいなあ」
 さいわい小さな洞穴があったので、黄は体をかがめて奥へ奥へと入って行きました。
 長い間進んだ黄は、やっと出た向う側を見てびっくり。
 目の前には広い野原が広がっていて、畑も湖も森も、そして家もたくさんあります。
 黄の姿を見つけた犬が、大きな声で吠えました。
 その声で畑にいた人も家にいた人も、みんな黄の周りに集まりました。
 そして一人の老人が、黄の前に進み出て言いました。
「わたしは、ここの村長です。
 ここは桃源郷(とうげんきょう)と言って、普通の人の知らないところです。
 よくここまで、来る事が出来ましたな。
 さあ、お疲れでしょう。
 わたしの家まで、おいでください」
 黄は、村長のあとについて行きました。
 村長は、色々なごちそうをしてくれました。
「ところで黄さん、この村の出来た訳を話しましょう。
 むかし中国には、秦(しん)の始皇帝(しこうてい)と言う王さまがいた事は知っていますね。
 わがままで、乱暴で、大勢の人を殺したひどい王さまだったそうです。
 その時に殺されそうになった人たちが、こっそりここに逃げて来たのです。
 そしてその人たちが、この村を作ったのです。
 それが、わたしたちの先祖です。
 ここには、けんかも争いもありません。
 みんなが楽しく暮らしている、とても平和な村です。
 ですから黄さん、あなたがここに来た事は、絶対に誰にも言わないでください。
 約束してください。
 お願いです」
「はい。絶対に、誰にも言いません」
 黄は村長に、固い約束をして帰りました。


 さて、自分の村に帰った黄ですが、あれ以来、あの美しい平和な村が忘れられません。
 そこで友だちと酒を飲みながら、つい、しゃべってしまったのです。
 するとその友だちが、また友だちにしゃべったのです。
 こうして桃源郷のうわさは、役人にまで知られてしまいました。
「黄、お前は桃源郷という所に行ったそうだな。おれを、そこに案内しろ!」
 仕方なく黄は、役人を舟に乗せて川をのぼって行きました。
 そして、あの美しい桃の林も通りました。
 ところがどうした事か、どこまで行っても、あの時の岩山も洞穴も見つからないのです。
「おかしいな。道に迷うはずはないのだが」
 それからも黄と役人は何度か桃源郷を目指しましたが、桃源郷を見つける事は出来なかったそうです。


おしまい


きょうの豆知識と昔話


きょうの記念日飛行船の日
きょうの誕生花 → アンスリューム
きょうの誕生日1960年 岡部まり(タレント)


きょうの新作昔話 → 栗拾い
きょうの日本昔話 → 雪女
きょうの世界昔話 → 桃源郷
きょうの日本民話 → キツネのお礼
きょうのイソップ童話わるぐちをいいあうブタとイヌ
きょうの江戸小話 → 貧乏神


hukumusume.com サイト一覧



メッセージを送る

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。

×

この広告は1年以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。